アフリカに5万回分のM痘ワクチン到着へ、韓国から提供

(アフリカ、韓国、コンゴ民主共和国、ガーナ、ナイジェリア)

中東アフリカ課

2022年12月02日

アフリカ疾病管理予防センター(CDC)は12月1日、韓国疾病予防管理庁(KDCA)を通じ、アフリカに最初のM痘(注)ワクチンが届く予定だと発表した。今回提供されるワクチンは全5万回分で、医療従事者や最も被害の大きい地域に住む人々に投与する予定。もっとも、ワクチンの到着時期は明らかにされていない。

今回の韓国によるM痘ワクチンの贈与は、11月28~30日に韓国ソウルで開催された「第7回グローバル・ヘルス・セキュリティー・アジェンダ閣僚級会議」で、アフリカCDCのアーメド・オグウェル局長代理とKDCAのペク・キョンラン委員との会談で発表したもの。CDCとKDCAは4月、アフリカの疾病予防・管理の連携強化や技術協力に係る覚書(MoU)を結んでいた。

アフリカCDCのオグウェル長官代理は、特にコンゴ民主共和国(DRC)でここ1週間に51人のM痘感染者が確認されているとして懸念を表明したほか、感染者の多い地域としてガーナとナイジェリアを挙げた。その上で「最も影響を受けるアフリカ連合(AU)加盟国に対して優先的にM痘ワクチンを提供することを保証する」とした。

アフリカCDCの11月28日付の報告によると、アフリカでは2022年に入り、M痘で996人の感染と198人の死亡が確認されている。世界保健機関(WHO)は7月、M痘の世界的流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言したが、アフリカではM痘ワクチンが届いていない状況が続いている。

(注)世界保健機関(WHO)は11月28日、「サル痘(monkeypox)」の名称を「M痘(mpox)」に変更(2022年11月29日記事参照)。

(梶原大夢)

(アフリカ、韓国、コンゴ民主共和国、ガーナ、ナイジェリア)

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