1~11月のCPI上昇率は微増傾向

(サウジアラビア)

リヤド発

2022年12月28日

世界各国で物価の上昇トレンドが続いている中、サウジアラビア総合統計庁が毎月発表している報告書「消費者物価指数(CPI)」を基に、2022年のサウジアラビアの物価動向を振り返る。

同国の2022年1~11月のCPI上昇率の動きをみると、全体で微増傾向が続いている(添付資料表参照)。前年同月比の上昇率が最も低かったのは1月の1.2%、最も高かったのは9月と10月の3.1%だった。1~11月の平均上昇率は2.4%だった。

直近の11月の上昇率PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は2.9%。項目・品目別にみると、消費者物価計測の構成品目で、相対的重要度が高い住宅・光熱関連と食品・飲料関連のCPI上昇率が大きくなっている。9月のCPI上昇でも、食品・飲料、住宅・光熱関連の価格上昇が主要因で(2022年10月25日記事参照)、同じ傾向が続いている。

1月と11月のCPI上昇率を比較すると、食品・飲料関連では牛乳・乳製品・卵の上昇率が最も高く、1月は5.2%に対し、11月は15.3%と10.1ポイント上昇している。そのほか、牛肉が4.0ポイント上昇(1月0.5%、11月4.5%)、食用油5.8ポイント(1月5.0%、11月10.8%)上昇。これらは、世界的な国際情勢の変化による飼料高騰などの影響によるものだとみられる。

住宅・光熱関連では、賃貸住宅の上昇率が最も高く、1月のマイナス1.7%に対し11月は5.4%と7.1ポイント上昇している。賃貸住宅の供給不足による価格上昇によるものとみられる。

なお、IMFは、サウジアラビアの2022年消費者物価上昇率(年平均)を2.7%と予測している。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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