サルマン国王、中国の習近平国家主席とリヤドで公式会談

(サウジアラビア、中国)

リヤド発

2022年12月12日

サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジーズ国王は12月8日、中国の習近平国家主席と会談を行った。習国家主席は2国間の戦略的関係構築の強化を目指すサルマン国王の招待を受け、12月7日から9日まで首都リヤドを公式訪問した。習国家主席のサウジアラビア訪問は2016年以来となる。

会談で両国は包括的戦略パートナーシップ協定への署名を行い、2年ごとに首脳会談を実施することで合意した。その後、習国家主席はムハンマド・ビン・サルマン皇太子とともに、12件の2国間協定・覚書の締結に立ち会った。

主な内容は以下のとおり。

  • サウジアラビアの「ビジョン2030」と中国の「一帯一路」構想との協調計画。
  • 水素エネルギー分野の覚書。
  • 両国間の民事、商業、司法支援に関する協定。
  • 中国語教育への協力に関する覚書。
  • 直接投資奨励の覚書。
  • 住宅分野での協力に関する覚書の条項を活性化する行動計画。

12月9日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、今回の公式訪問の枠組みの一環として、デジタル経済分野協力の戦略的パートナーシップも締結された。このパートナーシップは、デジタル経済や情報通信技術(ICT)分野をカバーするとともに、Eコマースやフィンテックなどのスタートアップ・民間企業の成長を促進するとしている。また、ロボット・スマート機器、人工知能(AI)、先端コンピューティングおよび量子情報技術分野の協力や、産業・商業目的の技術やアプリケーションの開発にも取り組む。さらに、デジタル技術の応用と無線周波数管理、通信、データセンターの分野の現地人材育成、デジタルプラットフォームとクラウドコンピューティングサービスの開発、海底ケーブルプロジェクト拡大の分野でも協力を行う予定だ。

両国はパートナーシップ条項の実行に向けて、専門家による意見交換、会議、セミナーなどを開催するとしている。

(林憲忠)

(サウジアラビア、中国)

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