2022年に8.5%の経済成長、湾岸諸国で最大の伸び

(クウェート)

中東アフリカ課

2023年01月17日

世界銀行が1月10日に発表した報告書「世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、世界の2022年のGDP成長率の推計は2.9%、中東・北アフリカでは5.7%(2023年1月16日記事参照)のところ、原油価格の上昇を背景にクウェートでは8.5%と高い成長を見せた。湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国全体でも6.9%の高い成長だった中、国別ではクウェートが最大の伸びを示した。2020年は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染拡大の影響や油価の低迷もあり、経済成長率がマイナス8.9%と大幅な落ち込みとなっていたが、2021年以降は新型コロナ規制からの緩和もあり、プラス成長が続いている。

一方で、世界銀行の報告書によると、1バレル当たりの油価は2022年の約100ドルから、2023年に約88ドル、2024年に約80ドルと下落傾向になる予測を示しており、クウェートにおいて2023年、2024年は経済成長率が減速(ともに2.5%)の見込みとなった。なお、世界の経済成長率も、2023年に1.7%、2024年に2.7%と低い水準となる見通しだ。

【クウェートの経済成長推移(見込みを含む)】

  • 2020年:マイナス8.9%
  • 2021年:1.3%
  • 2022年:8.5%
  • 2023年:2.5%
  • 2024年:2.5%

ジェトロの「2022年度海外進出日系企業実態調査(中東編)」の結果では、在中東の日系企業において、約14.3%の企業がクウェートを「注目国」と回答した(複数回答形式)。回答によると、関心分野は石油・ガス、資源開発などだった。クウェートは日本にとって第3位の原油輸入元となっており、引き続き同分野の動向に注目が集まる。

(井澤壌士)

(クウェート)

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