2022年の新車登録台数は前年比2%減

(英国)

ロンドン発

2023年01月10日

英国自動車製造販売者協会(SMMT)は1月5日、2022年の新車登録台数を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新車登録台数は前年比2.0%減の161万4,063台で、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比べ約70万台減少した(添付資料表1参照)。SMMTは、2022年8月から12月にかけて5カ月連続で新車登録台数が増加したが、上半期の減少分を補うまでには至らなかったとしている。また、潜在需要はあるものの、新型コロナ感染拡大による世界的な部品の供給不足によって、全体の登録台数が減少したとみている。

燃料車種別にみると、ディーゼル車は前年比38.9%減の8万2,981台で、ガソリン車も10.4%減の68万2,473台だったほか、プラグインハイブリッド車(PHEV)も11.5%減少して10万1,414台だった。一方で、バッテリー式電気自動車(BEV)は40.1%増の26万7,203台で、全新車登録の16.6%を占め、構成比で初めてディーゼル車〔ディーゼル車およびマイルドハイブリッド車(MHEV)(ディーゼル)〕を上回り、ガソリン車に次ぐ燃料車種となった。

登録上位車種をみると、日産「キャシュカイ」が4万2,704台で1位となり、前年1位だった英国ボクソール「コルサ」が3万5,910台で2位に下がった(添付資料表2参照)。BEV部門では、米国テスラ「モデルY」と「モデル3」がそれぞれ3万5,551台、1万9,071台で、1位と2位にランクイン(添付資料表3参照)。日産「リーフ」は9,178台で5位となった。

SMMTは、2023年はサプライチェーンが徐々に安定し、半導体不足も解消していくと見込んでいるが、当面は不安定な供給状況が製造に影響を及ぼすとしている。一方で、市場の拡大を期待しており、10月に発表した2023年の見通しでは、約180万台の新車登録台数を予測している。

2024年からゼロエミッション車販売を段階的に義務付け

英国は2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を終了、2035年までに全ての新車をゼロエミッション車(ZEV)にするという方針を掲げている。これに向けて、2024年から自動車メーカーに対し、国内新車販売について一定割合をゼロエミッション車(ZEV)にするよう義務付ける予定だ。今後の意見公募の結果を踏まえて最終的な制度を決定するが、一定割合について段階的に引き上げていくことを検討している(2022年5月18日付地域・分析レポート参照)。SMMTのマイク・ホーズ会長は、消費者がEVに切り替える際の不安要素をなくすために、充電インフラへの投資の強化が必要と強調した。

(レイナー・あや)

(英国)

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