米ニューヨーク市、M痘収束を発表、連邦に合わせて緊急事態宣言を解除

(米国)

ニューヨーク発

2023年02月07日

米国のニューヨーク(NY)市は2月1日、NY市のMpoxの緊急事態宣言を終了すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。NY市内のM痘(サル痘、以下Mpox、注)の新規感染者数が2カ月連続で極めて低い水準に移行したことと、連邦政府によるMpoxの緊急事態宣言が1月31日付で失効したことを受けたもの。

同市の保健局が公表している最終レポートでは、2022年5月19日から12月31日の1日の新規感染者数は最高で約70人だったが、1月中は週平均がほぼ0人としている。NY市内感染者の約35%はヒスパニック系、約27%は黒人、22.4%は白人、アジア系は3.6%だった。

収束の発表はしたものの、NY市内では低いレベルではあっても、依然として感染は続いているため、医療機関には引き続きMpoxの症状が現れた患者に感染テストを行うよう促した。また、感染リスクのある人は、今後もかかりつけの医師、またはNY市のワクチン検索サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから、ワクチン接種の予約をすることができるとしている。

NY市は発表で、これまで市内だけで10万人以上が合計15万5,000回以上のワクチンを接種したとし、カリフォルニア州の28万9,000回超を除いた全米49州の合計よりも多くの回数のワクチンを提供したとしている。カリフォルニア州、ニューヨーク市の次に多かったのはフロリダ州の約9万2,000回分と発表している。

Mpoxの緊急事態宣言は、NY州は2022年7月29日、NY市は同年8月1日に発表していた(2022年8月3日記事参照)。その後、連邦政府としては保健福祉省(HHS)が8月4日に緊急事態宣言を発表した(2022年8月5日記事参照)。HHSのハビエル・ベセラ長官は2022年12月2日、Mpoxの症例数が最小限に収まっていることから、1月31日に緊急事態宣言が失効する際、更新する必要はないと述べていた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注)Mpoxは米国内の表記。世界保健機関(WHO)は2022年11月に名称を「サル痘(monkeypox)」から「M痘(mpox)」に変更すると発表した。詳細は2022年11月29日記事参照。

(吉田奈津絵)

(米国)

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