雲南省昆明市で「ジャパン・フェスティバル雲南」が開催

(中国)

成都発

2023年02月16日

中国・雲南省昆明市で21112日、「Japan Festival(ジャパン・フェスティバル)雲南」が開催された。当イベントは日中間のさまざまな文化・経済交流を目的としており、2022年の日中国交正常化50周年記念事業として開催、日中平和友好条約45周年となる2023年も継続して実施された。ジェトロ、日本アジア共同体文化協力機構、在重慶日本総領事館などの各団体から構成される実行委員会が主催した。中国に拠点を置く日系企業、自治体などの約20社・団体が出展し、自社商品や県産品のPRを行い、2日間で延べ55,000人が来場した。

在重慶日本総領事館の情報によると、雲南省に進出している日系企業は202010月現在で31社で、北京市や上海市といった沿岸部の大都市との比較では少ない。また、当地に関する日本での情報が限定的であることなどを理由に、同省でビジネスを展開する日本企業はこれまで少なかった。昆明市内の小売店には地理的に近いタイ、ラオス、ベトナムなどの東南アジア諸国の商品が多く並ぶ一方、日本の商品はほとんど見かけない。こうした土地柄故か、会場では来場客でにぎわい、出品された日本産品を物珍しそうに手に取っていた。

イベントに出展した岩手県雲南事務所は、同県の伝統工芸品である南部鉄器を出品した。雲南省はプーアル茶やコーヒーの産地であるため、南部鉄器で沸かした湯でプーアル茶やコーヒーをいれ、来場者に振る舞った。同事務所の李楠所長は「南部鉄器は高価で気軽に購入しづらいが、こうした雲南省の産品とともに振る舞うことで、来場者に南部鉄器を身近な物として感じてもらえたと思う」と語った。雲南日本商工会の西澤満会長は「昆明は年々消費者の購買力が高まっており、日本企業の新たなビジネスの展開先として有力な市場になるだろう」と当地市場の潜在性に言及した。

中国の2022年実質GDP成長率は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染症の影響などで前年比3.0%となった。省市別の統計発表によると、上海市(マイナス0.2%)、吉林省(マイナス1.9%)の2省市でマイナス成長となった一方、雲南省は全国6位(4.3%)と比較的高い成長率となった。雲南省は新型コロナ感染拡大前の2019年における実質GDP成長率が全国3位(8.1%)となるなど、継続して高い成長を示している。新型コロナ関連の規制緩和により、2023年は中国国内の経済活動の復調が予想される。雲南省でのビジネスチャンスを日本企業や自治体が模索している。

写真 来場客でにぎわう会場の様子(ジェトロ撮影)

来場客でにぎわう会場の様子(ジェトロ撮影)

写真 南部鉄器で沸かしたプーアル茶とコーヒーを振舞う岩手県ブース(ジェトロ撮影)

南部鉄器で沸かしたプーアル茶とコーヒーを振舞う岩手県ブース(ジェトロ撮影)

寺田俊作

(中国)

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