英国でモビリティ関連技術のピッチイベント開催

(英国)

ロンドン発

2023年02月21日

英国の研究開発機関である先端推進システム技術センター(APC)は1月17日、テクノロジー・デベロップメント・アクセラレーター・プログラム(TDAP)のピッチイベントを開催した。

TDAPは、公的資金によりスタートアップや中小企業によるクリーンモビリティ技術の商業化を加速させるための支援をする、アクセラレーター・プログラムだ。これまでに 61の企業を支援し、資金は980万ポンド(約15億7,780万円 1ポンド=約161円)を超える。

ピッチに参加した8社は以下のとおり。

  • エネーブル・マニュファクチャリング(Enable Manufacturing):「アディティブ鋳造」と呼ばれる革新的な鋳造プロセスにより、高品質な金属部品を、高い費用対効果で生産。
  • リナ・エナジー(Lina Energy):リチウムとコバルトを使用しない固体ナトリウム電池を製造。
  • オックスフォード・RF(Oxford RF):あらゆる天候において完全な状況認識を可能にする、高度解像技術の次世代レーダーセンサーを開発。
  • コンポジット・エボリューション(Composites Evolution):複合材料から軽量構造を製造するためのプリプレグ(カーボンなどの繊維素材に樹脂を含侵した強化素材)を開発。
  • イリカ(Ilika):航続距離の延長と高速充電を可能にする電気自動車(EV)向け固体電池を開発。
  • シグマ・リチウム(Sigma Lithium):電池容量低下の原因となる樹枝状結晶(デンドライト)が発生しないリチウムを生産。
  • アイオニック・テクノロジーズ(Ionic Technologies International):イオン液体を用いてリサイクルしたレアアース素材を、電気自動車(EV)などに使用するグリーンなマグネット製造のために供給。
  • マックス・パワー・セミコンダクター(Max Power Semiconductor):電力管理ソリューションの最適化に資する、高効率の半導体製品を供給。2022年10月に米国のビシェイ・インターテクノロジーズに買収されたものの、学術交流や産業のコラボレーションに対してはオープンとしている。

また、APCの中小企業向けプログラム責任者、ジョッシュ・デン氏はジェトロに対し、「商業化の初期段階にある企業を支援することにより、英国は、モビリティ分野において最もエキサイティングな技術革新で競争力を維持することができる」と語った。

なお、APCは5月24日から26日にかけて横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2023」の英国「GREAT」パビリオンで展示をする予定。

写真 会場の様子(主催者提供)

会場の様子(主催者提供)

(エルカザーニ・小百合・アミナ、レイナー・あや)

(英国)

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