ライーシー大統領が中国を訪問し関係強化を確認、20の協力文書に署名

(イラン、中国)

テヘラン発

2023年02月17日

イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は、中国の習近平国家主席の招待を受け、2月14日から中国を公式訪問した。大統領就任後、約1年半で10回目の海外訪問だが、初の中国訪問となった〔2月14日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

ライーシー大統領は、習国家主席との会談で、イランと中国は困難な時代の友人だと述べ、両国間の関係をさらに強化することは、世界の安全保障に役立つとした。また、経済、貿易、科学、文化などの分野における関係拡大の必要性を強調、両国間の25カ年の包括的協定(2021年3月29日記事参照)の実施は地域の平和と安定にとって極めて重要とした。さらにライーシー大統領は、イランに対する経済制裁を解除するための多国間協議における中国の積極的な役割を高く評価した。また、イランは一帯一路政策を支援する用意があるとした。

これに対して習国家主席は、両国間の戦略的合意を実施する必要性を強調し、2国間関係を強化することを強く決意していると述べた。また、西側諸国によるイランに対する措置を批判し、西側諸国が冷戦時のような主張を続けていることを遺憾とした(2月14日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

今回の訪問に合わせて、イランと中国の当局は、危機管理、観光、通信・情報技術、環境、貿易、知的財産、農業、医療などの分野に関する20の協力文書に署名した(2月14日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ライーシー大統領は、習国家主席、李克強首相らの要人との会談のほか、2月15日には中国の大手企業数十社の代表者グループと会談した。イランは、その経済的能力、地政学的位置づけから、中央アジア、コーカサス、欧州との貿易において非常に重要な役割を果たしていると述べ、中国企業は、貿易、投資により、イランのこの役割を利用することができるとした。さらに、イランは中国からの投資と技術移転を歓迎するとし、この分野における既存の障害を取り除く必要性を強調、両国の企業はさまざまな分野での協力を発展させるために大きな一歩を踏み出せるとした(2月15日付大統領府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、中国)

ビジネス短信 a1243689547dbd3c