アジア・ゼロエミッション共同体閣僚会合が初開催

(日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)

アジア大洋州課

2023年03月30日

経済産業省は3月4日、東京でアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC、注)閣僚会合を初めて開催した。会合には西村康稔経済産業相のほか、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの関係閣僚らが参加した。

同会合では、AZECの今後の方針や具体的な取り組みなどなどについて議論した。発出した共同声明では、(1)エネルギー安全保障を確保しながら脱炭素化に取り組むこと、(2)脱炭素化と経済成長の両立、(3)各国の実情に応じたエネルギートランジションの実行という3つの共通認識の下、AZECのパートナーとして各国が協力して脱炭素化・カーボンニュートラルに取り組むことに合意した。これにより、AZECが多国間の枠組みとして発足したかたちとなった。AZECは今後、原則として年 1回の閣僚会合と定期的な高級実務者会合(SOM)を開催する。

会合後に経済産業省が発表した議長総括によると、今後の具体的な議論と行動に当たっては、省エネルギー・エネルギー転換の重要性、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)や水素・アンモニアへの転換により天然ガスをゼロエミッション化とすることの重要性、リチウムやニッケルなどカーボンニュートラルに欠かせない重要鉱物の責任あるサプライチェーン構築の必要性などの観点を考慮することなどについて合意した。

(注)2022年1月、岸田文雄首相が「アジア・ゼロエミッション共同体構想」を提唱。水素やアンモニアなど日本のゼロエミッション技術や制度、ノウハウを生かし、アジアの国々と連携し、アジアの実情に即したかたちで、アジアのエネルギートランジション、脱炭素化・カーボンニュートラル実現を目指す日本政府主導の取り組み。

(菊池芙美子)

(日本、オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)

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