2022年第4四半期のGDP成長率は前期比0.1%、3期連続で成長鈍化も通年では3.1%

(ベルギー)

ブリュッセル発

2023年03月02日

ベルギー国立銀行(NBB)は2月28日、同国の2022年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を前期比で0.1%(季節調整済み)、前年同期比では1.4%と発表(プレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))した(添付資料表参照)。2021年秋冬に新型コロナウイルス感染再拡大の影響で、2021年第4四半期に経済成長が減速して以降(2022年3月4日記事参照)、前期比1%未満の低成長率が続き、3期連続で成長が鈍化した。

2022年第4四半期のGDP成長率(前期比)を需要項目別にみると、民間需要が前期に引き続きプラス成長に寄与した。非耐久財の消費が下支えして、民間最終消費支出は1.1%増となり、前期の0.8%増から拡大した。国内総固定資本形成は前期の0.5%減からさらに縮小し、0.8%減となった。内訳では、企業投資は2期連続のマイナス成長からプラス成長に転じて0.5%増としたものの、住宅投資と公共投資がそれぞれ2.4%減、5.4%減だったことに起因する。政府最終消費支出は前期の0.2%増から0.9%増と拡大した。

財貨・サービスの輸出と輸入は、いずれも前期の1.4%増、1.6%増から大幅に縮小し、ともに0.7%減となったものの、純輸出はGDPを0.1ポイントながら押し上げた。

産業別にみると、建設業が1.0%増に拡大したほか、サービス業は前期の0.3%増からわずかに成長幅が縮小し0.2%増だった。工業(建設業を除く)は前期の0.8%減からさらに後退し1.0%減で、3期連続でマイナス成長となった。

ベルギーの通年のGDP成長率は、2021年に新型コロナ前の2019年の水準をわずかに上回るまでに回復して前年比6.1%とし、2022年も引き続き3.1%の成長を維持した。

2022年のGDP成長率を需要項目別にみると、民間最終消費支出と政府最終消費支出はそれぞれ前年比4.3%増、1.4%増となり、経済成長を牽引した。一方で、国内総固定資本形成は、公共投資(6.9%減)や企業投資(1.7%減)のマイナス成長を受けて、1.6%減だった。輸出・輸入はそれぞれ前年比4.6%増、4.2%増で、純輸出はGDPを0.4ポイント押し上げた。

2022年のGDP成長率を産業別にみると、全ての部門で成長幅が縮小した。中でもサービス業は前年の7.1%増から4.2%増となった。内訳をみると、専門サービス業が7.4%増、卸売り・小売り、車両メンテナンス、運輸・倉庫、宿泊・飲食業がそれぞれ5.9%増で、サービス業の成長を支えた。建設業は前年の1.6%増から、かろうじてマイナス成長を免れ0.0%としたものの、工業(建設業を除く)は前年の1.2%増からマイナスに転じ、0.3%減となった。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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