米KBR、韓国のISUケミカルと次世代電池技術で提携

(米国、韓国)

ヒューストン発

2023年04月21日

米国のエンジニアリング企業KBR(本社:テキサス州ヒューストン)は4月19日、韓国の化学メーカーISUケミカル(本社:ソウル)と次世代電池技術向けの商業規模の硫化リチウムユニット設計に関する共同開発契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、同契約に基づき、KBRはこの技術の独占的なライセンサーになる。硫化リチウムは、従来のリチウムイオン電池より安全で効率的なことに加え、より多くの電力を蓄えることができる全固体電池(注)の製造に使用される。

KBRの技術担当プレジデントのダグ・ケリー氏は「ISUケミカルと共同で、次世代電池材料を製造する商業規模のプラントを開発・設計できることをうれしく思っている」「当社の次世代電池技術は、再生可能エネルギーをより効率的に利用する方向への業界の移行を支援する上で、貴重な役割を果たすことになる」と述べた。

ISUケミカルのリュー・スンホ最高経営責任者(CEO)は「当社の研究開発、実証プラント運営で蓄積された経験と、KBRの大規模商業生産のためのプロセス技術開発でのリーダーシップの組み合わせは、次世代電池技術構築の強力な基盤を確立する」「これは、当社の顧客が硫化リチウムの生産で、価格競争力と供給安定性を実現するのに役立つ」と述べた。

KBRは脱炭素化の取り組みを積極的に進めており、2023年2月に持続可能な航空燃料提供に向け、スウェーデンのバイオ燃料メーカーと提携(2023年2月22日記事参照)、4月に米国アビナからメキシコ湾岸のグリーンアンモニアプロジェクト受注(2023年4月6日記事参照)、スイスのアトラス・アグロにグリーンアンモニア技術提供(2023年4月17日記事参照)をそれぞれ発表している。

(注)正極と負極からなる電極間で電気をやりとりするために、電解液ではなく、固体を使用する電池を指す。

(沖本憲司)

(米国、韓国)

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