鳥インフルエンザの人への感染を確認

(チリ)

サンティアゴ発

2023年04月04日

チリ保健省は3月29日、国内初となる人への鳥インフルエンザ(H5N1)の感染を確認したと発表した。感染したのは北部に住む53歳の男性で、重度の急性呼吸器症状を訴えて医療機関を受診し、公衆保健院(ISP)が検査を行ったところ、鳥インフルエンザへの感染を確認した。患者は重症ではあるものの容体は安定しており、入院して治療を受けているという。

保健省は、鳥インフルエンザに感染した鳥類や動物、その死骸、唾液、フンなどとの接触によって体内にウイルスが入ることで人への感染が引き起こされると説明し、これまで人から人への感染ルートについては確認されていないと強調した。ヒメナ・アギレラ保健相は人への感染リスクは低いとしつつも、感染した場合は5~7日間の潜伏期間の後、急速に呼吸器症状が悪化する可能性があると指摘し、鳥類や海生哺乳類などとの接触を避けるよう、国民へ呼びかけている。

国内で鳥インフルエンザに感染した鳥類が確認されたのは2022年終わりごろで、直近では養鶏所で鳥インフルエンザが発生し、鶏肉輸出を一時停止する事態も起こっている(2023年3月17日記事参照)。中南米地域での人への感染例は、2023年1月にエクアドルで9歳の少女が感染したケースが初めてで、今回のチリは2例目となった。

(岡戸美澪)

(チリ)

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