海水淡水化事業の展開に向け、国家海水淡水化管理局を設立

(アルジェリア)

パリ発

2023年04月06日

アルジェリア政府は海水淡水化装置の生産能力の強化に向け、3月15日付官報16号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で国家海水淡水化管理局(ANDE)の設立に関する政令23-103号を公布した。これまで異なる管轄機関の下、アルジェリア水道公社(ADE)とアルジェリアン・エナジー・カンパニー(AEC)(注)が、国内の海水淡水化事業を実施してきたが、水省の管轄下に海水淡水化事業に特化した管理局を設立することで、事業の管理・運営の統一と事業展開の加速を図るとしている。

同管理局の主な役割は以下のとおり。

  • 海水淡水化プラントおよび関連設備の建設、運営および保守
  • 海水淡水化に関する各種調査の実施
  • 海水淡水化プラントで生産された水の水道局への供給
  • 国家海水淡水化戦略の策定への貢献

水不足問題を抱える諸地域の中でも、北アフリカは最も深刻な地域の1つで、アルジェリア政府は海水淡水化による問題解決に積極的に取り組んできた。現在、国内の大規模プラントは合計14基あるが,その過半数は海水淡水化能力が1日当たり20万立方メートル級で、2010年代前半から稼働している。現在、国内の造水能力は合計で、1日当たり270万立方メートルに達している。さらに2024年までに、1日当たりの造水能力が30万立方メートル級のプラントを新たに5基建設し、加えて6基のプラントを2030年までに建設する予定だ。

アルジェリアの海水淡水化による造水割合は、2023年2月末時点で約18%だが、建設中のプラントの稼働により、2024年に42%、2030年には60%になる見込みだ。

(注)アルジェリアン・エナジー・カンパニー(AEC)は、アルジェリア国営炭化水素公社ソナトラック傘下。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア)

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