イスラエル中銀が利上げ、政策金利は2006年12月以降で最高の4.75%に

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年05月23日

イスラエル中央銀行は5月22日に金融委員会会合を開催し、4月の会合に続いて(2023年4月11日記事参照)、政策金利を0.25ポイント引き上げ、4.75%とすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。金利引き上げは2022年4月の会合以来10会合連続となり、政策金利は2006年12月以降で最も高い水準となった。

中銀の金融委員会は金利の引き上げ理由として、「イスラエルの経済活動は高水準で、多くの指標に若干の緩みが見られるものの、タイトな労働市場を伴っている。インフレは幅広く高止まりしている」と説明した。

中銀によると、4月のインフレ率は前年同月比5.0%で、目標レンジ(1~3%)の上限を上回っている。中央統計局が5月15日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした品目別の前月比の物価上昇率をみると、特に、生鮮果物・野菜(4.0%)、輸送(2.5%)、衣類・履物(1.9%)、文化・娯楽(1.8%)などの分野で上昇がみられた。

労働市場は、引き続きタイトで完全雇用環境にあるとしている。4月の15歳以上の就業率(季節調整済み)は61.7%で前月と変わらず、15歳以上の失業率(季節調整済み)は3.6%と前月から0.2ポイント低下した。

一方、住宅市場では、取引件数や住宅ローンの新規貸出額の減少が続いているとしており、4月の新規貸出額は46億シェケル(約1,748億円、1シェケル=約38円)となり、2019年以来の低水準となった。

次回の政策金利決定は7月10日に予定されている。

(中溝丘)

(イスラエル)

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