WHO、M痘に対する緊急事態宣言終了を発表

(世界、スイス)

ジュネーブ発

2023年05月15日

世界保健機関(WHO)は5月11日、M痘(サル痘、注)に関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を終了すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2022年7月23日に同宣言を出して以降、約9カ月を経て終了宣言に至った。WHOは、これまでに世界111カ国から8万7,000人以上のM痘感染者と、140人の死亡者が報告されたとした。

緊急事態宣言の終了は、5月10日に開催されたWHOのM痘に関する緊急委員会の会合で、感染者数の減少などを踏まえて宣言終了が勧告されたことを受けて決定した。WHOのテドロス・アダノム事務局長は会見で、5月5日に緊急事態宣言の終了を発表した新型コロナウイルス(2023年5月9日記事参照)と同様に、M痘は今後も公衆衛生上の大きな課題であり続け、先を見越した持続的な対応を続けていく必要があるとした。

WHOは全ての締約国に対し、M痘に関する診断や予防、治療、研究について、既存のHIVや性感染症の予防・制御プログラムなどに統合することなどを含む14の暫定的な勧告を発表した。

(注)WHOは2022年11月に名称を「サル痘(monkeypox)」から「M痘(mpox)」に変更すると発表した。

(深谷薫)

(世界、スイス)

ビジネス短信 966cca1ff15c9f93