米アップル、ベトナムにオンラインストア開設

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年05月25日

米国のアップルは5月18日、ベトナムにオンラインストア外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開設した。そこでは、最新のアップル製品を購入でき、アフターサービスなど種々の製品サポートを受けることが可能。また、製品購入に際しては、国内最大手の電子決済サービス「MoMo」を通じた最長24カ月の分割払いや、学生向けの割引も提供している。

同社はベトナムでは現地販売代理店を通じて製品を販売してきた。2022年12月にベトナム向けの公式YouTubeチャンネルを開設するなど、同国市場への関心を高めていた。中国での売り上げが伸び悩む中、新興国市場での事業を強化しており、ベトナムでのオンラインストア開設は、若い世代の人口が多く、iPhoneの保有台数がまだ比較的少ない市場の成長を期待したものとみられる(ロイター5月12日)。

ベトナム情報通信省によると、2022年3月時点で国内のスマートフォン契約件数は9,350万件。スマートフォンを利用する成人は人口の73.5%に当たる約7,246万人と推定され、2025年には約8,217万人に達すると予測されている。また、ベトナム電子商取引・デジタル経済局は、国内のBtoCの電子商取引(EC)市場規模は着実に拡大しており、2022年9月時点の予測では、2022年のEC市場規模が前年比20%増の164億ドルになるとの見通しを示している。

なお、アップルがベトナムで直営の実店舗(アップルストア)をオープンする計画は、5月18日時点で明らかにされていない。ロイターによると、アップルストアのオープンに先立ってオンラインストアが開設されることが多く、インドでは2020年にオンラインストアが開設された後、2023年4月に初の直営店がオープンしている(2023年4月20日記事参照)。

(児玉良平)

(ベトナム)

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