コートジボワール、世界銀行・IMFと総額5億6,000万ユーロの融資協定に調印

(コートジボワール)

アビジャン発

2023年05月01日

世界銀行および IMFとコートジボワール政府は、4月10日から16日まで米国ワシントンで開催された、世界銀行グループとIMFの春季会合期間中に、持続可能な開発プロジェクトを支援する総額約5億6,000万ユーロの融資協定に調印した。

今般の融資協定は、「二次都市の包摂的持続可能な開発プロジェクト」に対する2億8,280万ユーロおよび「包摂的連結性(インクルーシブ・コネクティビティ)と農村インフラプロジェクト」に対する2億7,690万ユーロで構成されている。

これと並んで、多数国間投資保証機関(MIGA)はコートジボワールに対し、農業分野で必要とされる肥料や、デジタル分野で使用される輸入品などの貿易フローを支えることを目的に、新たな貿易金融保証枠組みの下、1億ユーロ(最長1年、更新可能)の融資を承認した。

なお、IMFは今般の融資協定に先立ち、3月1日から3月14日まで、IMF資金の利用に関するコートジボワールからの要請に応じて、訪問団を派遣した。その後4月5日の声明で、総額35億ドルの融資について、事務レベルによるコートジボワール政府との合意に達し、数週間内にIMF理事会での承認を経て決定されると発表していた。この融資は、期間40カ月の拡大クレジットファシリティ(Extended Credit Facility:ECF)と拡大信用供与措置(Extended Fund Facility:EFF)で構成されている。

コートジボワールは、IMFの出資割当額(クォータ)の400%までを借り入れることが認められており、これは、サブサハラ・アフリカで最大の資金アクセスレベルという。

IMFは声明において、「コートジボワールは、ロシアのウクライナ侵攻による影響と世界の金融引き締めによって、マクロ経済の不均衡が顕在化している。物価上昇圧力を抑えるための補助金、治安維持に充てる支出の増加、堅調な内需に伴う輸入増加による貿易収支の悪化がみられる」と指摘した。また、マクロ経済の安定維持、民間分野の振興、財政と債務の持続可能な管理、および上位中所得国入りを目指す「国家開発計画2021-2025」に向けた政府の取り組みが重要と述べた。IMFは、コートジボワールの経済成長率が2022年の5.5%から、2023年は6.5%になると予測している。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

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