中銀、新たな外貨政策を発表、ナイラ相場は変動

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年06月20日

ナイジェリア中央銀行(CBN)は6月14日、通貨ナイラに関する外国為替(FX)市場の新たな運営方針PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。今回の措置により、ナイジェリア政府が公定レートとしている「投資や輸出のためのレート(I&Eウィンドウ)」は、需給に応じた「Willing Buyer, Willing Seller(買い手と売り手が自由な取引をする)」モデルが再導入され、ナイラは実質的に変動相場制に移行した。I&Eウィンドウは、投資や輸出のためのレートとして2017年4月に導入され、2021年5月からCBNレートに実質統合されていた(2021年5月27日記事参照)が、これまで需給関係を直接反映した市中両替商(Breau de Change:BDC)レートとは大きく乖離していた。

上記の発表に伴い、直近まで1ドル=約461ナイラで推移していたCBN公定レートは、2023年6月14日には同632.77ナイラに急落した。ジェトロの調べでは、Stanbic IBTC銀行におけるドルレートは、6月15日には700ナイラに到達している。同日の市中両替商(BDC)レートが750ナイラだったことから、その差は大きく縮まっている。

ナイジェリアは外貨不足を背景に、公定レートでの外貨調達が難しく、輸入者は公定レートよりも不利なBDCレートでの外為取引を行わざるを得ない状況があったが、今回の政策変更によって各社の外貨調達にどう影響が出るか、注視する必要がありそうだ。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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