サウジアラビア外相が国交正常化合意後に初めてイランを訪問

(イラン、サウジアラビア)

テヘラン発

2023年06月19日

イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒャーン外相とサウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード外相は6月17日、イランの首都テヘランで会談した。両外相の会談は、両国が国交再開に合意した2023年3月(2023年3月13日記事参照)以来3回目だが、これまでの2回は中国・北京と南アフリカ共和国・ケープタウンで行われ、当該国で行われるのは初めてとなった〔6月17日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

会談後の共同記者会見で、アブドゥラヒャーン外相は「北京での合意からほぼ100日後にサウード外相をテヘランに迎えることができ、うれしく思う」とし、リヤドのイラン大使館とジッダのイスラーム協力機構(OIC)イラン代表部の再開(2023年6月9日記事参照)を促進したサウジアラビアの対応を評価した。また、「両国は政治、経済分野での協力、麻薬密輸との闘いのための委員会の設立について合意した」と述べた。

これに対して、ファイサル外相は「北京での合意を完了させるために開催された今回の会談で、アブドゥラヒャーン外相とは前向きで明確な話し合いを行った」と述べた。両国はこの地域の主要なプレーヤーだと指摘し、両国関係の正常化を重要な進展であるとした。また、「両国の関係は、相互尊重、相互の内政不干渉、国連憲章の順守などの原則に基づく」と述べた(6月17日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ファイサル外相は、テヘラン訪問中にイブラーヒーム・ライーシー大統領とも会談し、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の代理として同大統領をサウジアラビアへ招待したという。

イラン外務省のナセル・キャンアーニー報道官は今回の会談について、「今回の会談は非常に前向きな雰囲気の中で行われ、2国間、地域、国際レベルでの相互の関心事項について議論した。また、両国の関係拡大に向けた今後の措置について合意に達した」とした(6月18日付外務省)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(鈴木隆之)

(イラン、サウジアラビア)

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