2023年GDP成長予測を2.04%に引き下げ、外需の低迷が継続

(台湾)

中国北アジア課

2023年06月01日

台湾の行政院主計総処(以下、主計総処)は5月26日、2023年第1四半期の実質GDP成長率を前年同期比マイナス2.87%、2023年通年の成長率の予測値を2.04%と発表した(速報値、添付資料図参照)。四半期ベースでは、2022年第4四半期に続いて2四半期連続のマイナス成長となった。

第1四半期の実質GDP成長率を需要項目別寄与度でみると、内需全体の寄与度は2.57ポイントだった(添付資料表参照)。このうち、民間消費は3.02ポイントで内需を牽引したが、2022年にプラスで推移していた固定資本形成がマイナス0.24ポイントと落ち込んだ。

外需全体(純輸出)の寄与度はマイナス5.44ポイントだった。輸出の寄与度は、世界的なインフレと利上げの圧力および最終商品の需要が弱いことからマイナス7.80ポイント、輸入については、設備および材料購入の意欲が減衰しており、寄与度はマイナス2.36ポイントとなった。

2023年通年の実質GDP成長率の予測値は2.04%と、2月発表時から0.08ポイント下方修正された。寄与度については、内需が2.96ポイント、外需がマイナス0.92ポイントと予測。2月発表時から、内需は0.49ポイント上方修正された一方、外需は0.56ポイント下方修正された。内需については、各国の水際規制が緩和され海外旅行の需要が戻ってきていること、外食やショッピング、レジャーなどの需要も回復していること、当局が域内および訪台個人観光客向けに消費刺激策として現金給付を行うことなどにより、民間消費が内需を牽引すると予測した。

外需については、世界経済の成長スピードが減速していることに加え、消費の重点が商品からサービスに移行していることから、商品の在庫調整に時間がかかると指摘した。

(江田真由美)

(台湾)

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