サバルマティ複合輸送ハブの商業利用に向け、説明会開催

(インド)

アーメダバード発

2023年06月22日

インド高速鉄道回廊の建設と維持、管理を担う特別目的会社の国家高速鉄道公社(NHSRCL)は67日、ムンバイ~アーメダバード高速鉄道のグジャラート州側の始発点となる「サバルマティ複合輸送ハブ」の商業利用に関する関係者会議を開催したと発表した。

写真 「サバルマティ複合輸送ハブ」の概観(ジェトロ撮影)

「サバルマティ複合輸送ハブ」の概観(ジェトロ撮影)

同施設は2027年度といわれる高速鉄道の開通に先駆けて、商業利用が開始される予定で、同会議には小売業や銀行、多国籍企業、商業ベンチャー、空港運営企業、ホテルチェーンなど、さまざまな分野から約45人が参加した。NHSRCL主催により、施設の内覧やビルの商業利用に関するプレゼンテーション、質疑応答と意見交換が行われ、各参加者は施設内でのビジネス展開の可能性を探った。

サバルマティ複合輸送ハブは各交通機関を統合するハブ機能を持つことが最大の特徴で、ムンバイ~アーメダバード高速鉄道、インド西部鉄道各線(デリー線、ラジコット線)、アーメダバードメトロ、バス・ラピッド・トランジット(BRT、注)の各サバルマティターミナルを陸橋(動く歩道)やコンコースで接続し、シームレスな乗り換えを可能にする中央ターミナル施設だ。

写真 各ターミナルを接続する通路(ジェトロ撮影)

各ターミナルを接続する通路(ジェトロ撮影)

NHSRCLに対するジェトロのインタビュー(5月31日)によると、同複合輸送ハブのターミナルビルは33億2,500万ルピー(約56億5,250億円、1ルピー=約1.7円)をかけて建設され、既に97%の建設工事が完了している。A棟、B棟から成り、ブロックA(地下および9階建て)は2万2,668平方メートル、ブロックB(地下および7階建て)は1万3,599平方メートル。3階のコンコースで接続され、オフィスや銀行、ホテル、小売店などの商業利用を計画している。A、Bブロック共通となる3階のコンコース部分には、4,432平方メートルの賃貸面積があり、フードコートや小売店、旅客待合室などの施設が入る予定。また、ビル内には1,300台分の駐車スペース(地下、地上1階、2階を含む)を有する。太陽光利用や水資源リサイクル、施設内の緑化に配慮したグリーンビルディングとしてゴールドランク認定を受けているほか、耐震構造による建築でもある(2022年12月9日記事2023年5月15日記事参照)。

写真 施設の中心となる3階コンコース(ジェトロ撮影)

施設の中心となる3階コンコース(ジェトロ撮影)

(注)「BRT」とは、バス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit)の略で、連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーンなどを組み合わせることで、速達性と定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステム。

(古川毅彦)

(インド)

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