2023年都市の商業的魅力ランキング、成都市が8年連続で新一線都市の首位に

(中国)

成都発

2023年06月08日

中国の経済情報メディアの第一財経と、その傘下の新一線都市研究所は5月30日、「2023年都市の商業的魅力ランキング」を発表した(注1)。2023年のランキングは例年同様に、「商業施設の充実度」や「都市のハブとしての機能性」「市民の活性度」「生活様式の多様性」「将来の可能性」などの指標を基に、2022年通年と2023年初までの状況を反映し、337都市をランク付けした(今回ランキングの「一線都市」「新一線都市」は添付資料表参照)。

「一線都市」とは、全国的な政治・経済活動などの社会活動で重要な地位にあり、指導的役割を備え、波及力・牽引力をもった大都市を指す。また、新一線都市研究所は2013年より「新一線都市」という概念を設け、複数の領域で競争優位性のある15都市を「新一線都市」として選出している(注2)。第一財経は今回の発表で、「新一線都市の発表を始めてから10年が経った今、2013年に選出した都市のうち一部は、2013年当時の一線都市の水準を大きく超えた。特に「成都・重慶」という第4の都市圏(注3)を中心に、中部地区では予想を上回る新興都市の出現が見られる」と解説している。

西南地域の主要都市の四川省成都市は8年連続で新一線都市の首位となった。同市は「都市のハブとしての機能性」と「生活様式の多様性」の分野で、上海市、北京市に次ぐ水準となっており、「商業施設の充実度」「市民の活性度」「将来の可能性」の分野でも、高い水準を維持した。

同じく西南地域に位置する雲南省昆明市は、安徽省合肥市、浙江省寧波市を抜き、前回2022年ランキングより3つ順位を上げ17位となり、3年ぶりに新一線都市にランクインした。昆明市は都市のハブとしての機能性が向上しており、高速道路をはじめ交通インフラの整備が急速に進んでいることが特徴として挙げられる。

(注1)同ランキングは2016年以降、毎年発表されており、各都市を一線、新一線、二線、三線、四線、五線都市の6分類にランク付けしている。

(注2)2013年の「新一線都市」は成都市、杭州市、南京市、武漢市、天津市、西安市、重慶市、青島市、瀋陽市、長沙市、大連市、アモイ市、無錫市、福州市、済南市の15都市が選出された。

(注3)長江デルタ、珠江デルタ、京津冀の3大都市経済圏に次ぐ第4の都市圏としての表現。

(王慧シン)

(中国)

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