5月の製造業生産高指数が電子分野中心に2桁減、輸出も大幅減少

(シンガポール)

シンガポール発

2023年06月30日

シンガポール貿易産業省傘下の外資誘致・産業政策機関、経済開発庁(EDB)の発表(6月26日)によると、2023年5月の製造業生産高指数は前年同月比10.8%減と、2桁減となった。同指数は2022年10月以降、8カ月連続で前年同月比ベースでのマイナスが続いている(添付資料図参照)。

分野別では、5月にはエレクトロニクス分野の生産高指数が23.0%減と、最も下落幅が大きかった。エレクトロニクス分野の中でも、コンピュータ周辺機器・データストレージが26.6%減だったほか、半導体も26.8%減少した。一方、情報通信部門の生産高指数が22.7%と大幅増になった

このほか、精密エンジニアリング分野の生産高指数は10.5%の2桁減だった。化学品も9.5%減少した。一方、バイオメディカル(医薬品・医療機器)の生産高指数は4.4%増だった。輸送エンジニアリングは、航空部品や造船部門の需要増に牽引され、28.4%増と大幅に増加した。

地場輸出も、8カ月連続で前年同月比ベースでのマイナス

また、貿易・中小企業振興機関、エンタープライズ・シンガポール(エンタープライズSG)の最新統計(6月16日発表)によると、同国の輸出指標とされる非石油部門の地場輸出は2023年5月に、前年同月比14.7%減少した。非石油地場輸出も2022年10月以降、8カ月連続で前年同月比マイナスが続いている。

分野別では、5月のエレクトロニクス製品の輸出は27.2%減少した。エレクトロニクス製品の中でも、ICの輸出が39.2%減だったほか、ディスクメディア製品が41.6%減、PC(パソコン)部品も48.7%減と大幅に落ち込んだ。非エレクトロニクス製品の輸出も、10.7%減少した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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