広東省、企業の営業秘密保護を強化、条例の細則制定など進める

(中国)

広州発

2023年06月13日

中国の広東省市場監督管理局は6月2日、2022年の営業秘密保護の業務実績に関する記者会見を行った。発表によると、同局は2021年以来、営業秘密の侵害案件を13件処理し、うち4件を公安機関に移送した。また、2022年に広州市知識産権法院は、営業秘密侵害の紛争案件を40件処理した。あるハイテク材料企業の技術秘密侵害の紛争案件については、賠償金額が3,000万元(約5億8,500万円、1元=約19.5元)に達し、最高人民法院から典型的な判例として紹介された。

営業秘密の保護を強化するため、同省市場監督管理局は2022年5月から施行した「広東省知識産権保護条例」(注)で、営業秘密の保護を正式に条例として定めた。また、2023年5月に施行した改正版「広東省における『中華人民共和国不正競争防止法』実施弁法」で、営業秘密保護条例に関連する細則の制定を進めた。現在、営業秘密の認定や、企業による営業秘密保護の措置、営業秘密の侵害行為と責任の認定、営業秘密保護の行政と刑事の連携などの内容を整備するため、同省営業秘密保護の地方政府規定の策定を進めており、5月28日からパブリックコメントを公開している。

国家市場監督管理総局は6月1日、第1回「企業の営業秘密保護能力向上サービス月間」イベント開始の式典を行った。広東省市場監督局もこれにならい、6月を「サービス月間」として各イベントを展開する計画を発表した。具体的には、重点企業による営業秘密保護シンポジウムや営業秘密保護国際フォーラームの開催、営業秘密保護に関する地方政府規定の起案、国外関連の営業秘密保護基地の設立、営業秘密保護事件トップ10の選出、営業秘密保護をテーマとした育成や研修などの活動を集中的に実施する予定。

(注)「広東省知識産権保護条例」はジェトロのウェブサイトに掲載されている。

(謝暁儀)

(中国)

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