シンガポール郊外最大の商業区入札開始、職住複合地区を開発へ

(シンガポール)

シンガポール発

2023年06月26日

シンガポール都市再開発庁(URA)は6月22日、同国西部ジュロンの3つの商業区開発(合計面積:6.5ヘクタール)に係わる入札開始を発表した。同商業区を取り巻くジュロン・レイク地区は、郊外最大の商業区として開発が進む地区。落札者はマスターデベロッパーとして環境配慮型のオフィスや住居、商業施設など商業区を計画、向こう10~15年で開発する予定だ。「ビジネス・タイムズ」紙(6月23日付)によると、落札価格は22億シンガポール・ドル(約2,332億円、Sドル、1Sドル=約106円)以上になると見込まれている。

今回入札される商業区は、大量高速鉄道(MRT)ジュロン・イースト駅に近接する3つの用地(注)。同用地には少なくとも総床面積14万6,000平方メートルのオフィス、約1,700戸分の住宅のほか、店舗やホテル、飲食店などの商業施設(合計7万3,000平方メートル)が建設可能だ。落札者は第1期に、総床面積7万平方メートル以上のオフィス、600戸以上の民間住宅を建設する義務があるが、残りについては市場の需要に応じて建設時期を調整できる。

URAは2008年から都市機能の郊外への分散化を進めており、ジュロン・レイク地区は郊外の中で最大の商業区として開発が進む(2008年6月4日記事参照)。また、同地区は温室効果ガス(GHG)排出量を2045年までに実質ゼロ(ネットゼロ)とする持続可能なモデル地区となることを目指している。今回の入札の落札者はマスターデベロッパーとして同3地区のマスタープランを立案する際に、地域冷房システムや真空ごみ輸送システムなど地域レベルで環境に貢献できるシステムの導入が求められる。

入札では2段階で審査される。第1段階で応札者のマスタープランと設計内容や環境への貢献、実績などを審査して絞り込む。第2段階では絞り込んだ応札者が提示した価格だけで最終落札者を決める。入札は2024年3月26日正午に締め切られる予定。入札の詳細はURAのサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注)3用地の場所はURAのサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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