UAE政府が投資省を新設

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年07月05日

アラブ首長国連邦(UAE)政府は7月3日、国内の投資政策の整備を担う投資省の新設を閣議決定した〔7月3日付UAE国営エミレーツ通信(WAM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。国内向け投資の増加に向けた戦略や、法制度、計画の策定を行う役割を担い、国際競争力のある投資環境を整備する。初代大臣には、アブダビ首長国の政府系投資会社ADQの最高経営責任者(CEO)を務めるムハンマド・ハッサン・アルスワイディ氏が指名された。

UAE政府は「脱石油」をキーワードに、石油依存の経済構造から脱却することを課題に据えている。今回の投資省の新設には、国外からグリーンフィールドも含めたUAE国内への投資を促進することで、産業多角化を加速させる狙いがあるとみられる。

UAE政府は2021年に政府系入札で現地人雇用、商品・サービス調達の現地化を促進する「内国価値(In-Country Value:ICV)プログラムPDFファイル(229KB)」を導入した。また、国内での外資100%の会社設立を認める法律改正の実施や、2022年には国内生産を呼びかける「Make it in the Emirates」フォーラムの開催(2022年6月30日記事参照)など、近年、国外からの投資を促進する取り組みを積極的に行っている。

ドバイ首長国でも、2023年初に発表した2033年までの経済成長に関する10カ年計画「D33」(2023年2月16日記事参照)の中で、「海外直接投資受け入れ(FDI)金額を過去10年間の年平均320億ディルハム(約1兆2,480億円、1ディルハム=約39円)から、向こう10年で年平均600億ディルハムまで引き上げ、2033年まで10年総額6,500億ディルハムを達成する」としており、連邦・首長国それぞれの単位で投資の呼び込みを強く推し進めている。

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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