メキシコ人バイヤーの8割が日本産精米の取り扱いを希望

(メキシコ、日本)

メキシコ発

2023年07月27日

ジェトロは7月19日、日本政府観光局(JNTO)と共催で日本産精米(注)のワークショップを開催した。ワークショップに参加したバイヤーへのアンケートでは、全体の8割が「日本産精米の利用を考えている」と回答したことが判明した。

日本産精米ワークショップは、メキシコ市内において東北・三陸・常磐地域の水産品・酒類を用いた試食試飲会との併催で開催された。試食試飲会には、在メキシコの輸入業者、卸業者、レストラン、ホテル関係者など、約170人の日本産品を求めるバイヤーが来場した。日本産精米ワークショップは、5月30日に日本の農林水産省、在メキシコ日本大使館とジェトロが共催したワークショップに続き、今回が2回目の開催になった(2023年6月1日記事参照)。

立ち見が出るほどの盛況となった今回のワークショップでは、海外における日本食普及の親善大使の九本和氏(日本産食材サポーター店インタビュー「Kazu's Kitchen」参照)が、粘りがあり握りやすく、冷めてもおいしさが保たれる日本産精米の特徴や、「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」といった銘柄ごとの味の違いなどに関して講義を行った。また、標高2,240メートルのメキシコ市では沸点が94度と低く、コメに芯(しん)が残りやすくなるため、炊飯時のコツなどを紹介した。参加者は、日本産精米とカリフォルニア産米(カルローズ)の塩むすびを食べ比べつつ、東北の水産加工品および日本酒のマリアージュを初体験した。

メキシコ人にとって、コメは野菜と同じ位置づけで、味を付けて調理された状態で食されることが多く、現地で50年以上の歴史を持つ老舗高級日本料理店において最も人気のコメ料理は「焼きめし」とのことだ。コメを扱う一部のバイヤーからは、「日本産精米の導入は価格次第」「今後、日本産精米を輸入する予定」「握り寿司(ずし)には日本産精米を使ってみたい」などのコメントがあった。今後もジェトロは、日本産精米を求めるメキシコのバイヤーとメキシコ向けに輸出意欲のある日本国内事業者とのマッチングを行い、オンライン商談などを実施していく予定だ。

写真 メキシコで日本食文化の発展に寄与した九本和氏(ジェトロ撮影)

メキシコで日本食文化の発展に寄与した九本和氏(ジェトロ撮影)

写真 日本産精米(富山県産コシヒカリ、岩手県産ひとめぼれ)とカリフォルニア産米(カルローズ)の塩むすびの食べ比べ(ジェトロ撮影)

日本産精米(富山県産コシヒカリ、岩手県産ひとめぼれ)とカリフォルニア産米(カルローズ)の塩むすびの食べ比べ(ジェトロ撮影)

(注)メキシコでは、2023年3月16日に日本産精米の輸入が解禁された(2023年3月17日記事参照)。

(志賀大祐、池田ちあき)

(メキシコ、日本)

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