越日工業大学がジョブフェア開催、日系企業から熱視線

(ベトナム、日本)

ホーチミン発

2023年07月19日

ベトナム・ホーチミン市内の越日工業大学(VJIT、注)は715日、ジョブフェアを開催した。技術系の日本語人材育成を進める同大学には注目が集まっており、同イベントには日系企業11社が出展した。参加した学生は約2,000人に及んだ。

同大学のジョブフェアは2015年の開学以降、毎年開催されている。参加学生の専攻は多岐にわたり、同大学の強みである理工系の分野では、電気・電子工学やメカトロニクス学、自動制御工学、情報工学などの学科が挙げられる。

写真 ジョブフェアの様子(VJIT提供)

ジョブフェアの様子(VJIT提供)

15日に開催された式典で、同大学のグエン・スアン・ホアン・ビエット学長は、日本の文化やビジネスマナーを学ぶ日本語教育に加え、日本でのインターンシッププログラムといった日本語を学ぶ環境が大学には整っていると指摘した。その上で「これまでに約500人の学生がインターンシップや就職で日本へ行った。ジョブフェアは在学中に日本企業とマッチングができる良い機会だ」と学生を激励した。

ジョブフェアでは、出展企業が自社ブースで説明を行ったほか、12年生を対象とした日本でのインターンシップの説明会が開催され、学生は熱心に耳を傾けた。就職活動を行う学生は個別に企業と面談を行い、直接会社の説明を聞いた上で質問を重ねた。

写真 出展企業の説明を聞く学生たち(VJIT提供)

出展企業の説明を聞く学生たち(VJIT提供)

写真 日本でのインターンシップの説明会(VJIT提供)

日本でのインターンシップの説明会(VJIT提供)

写真 出展企業と学生との面談(VJIT提供)

出展企業と学生との面談(VJIT提供)

参加した日系企業は「越日工業大学の学生の質は高く、日本の技術を積極的に学ぶ意欲がある。インターンシップを通じて、当社が求める専門分野の技術を学んでもらい、採用までつなげたい」と期待を寄せた(ジェトロによるヒアリング715日)。また、日本側が求めるベトナム人材のニーズについて、「自動化・省人化が進む中で、専門知識が求められるようになり、求める人材はワーカーからエンジニアへと徐々に変わりつつある。日本語を話せるエンジニアは貴重な人材で、当社では中途採用よりも新卒の獲得に注力している」といった声が聞かれた。

(注)越日工業大学は、2015年に私立大学のホーチミン市工業大学(HUTEC)内に設立された。日本型ものづくりの実践力をつけるため、金沢工業大学(KIT)の支援を受けてプロジェクトデザイン教育が導入されている(2022年11月9日記事参照)。

(児玉良平)

(ベトナム、日本)

ビジネス短信 669eb02e651d9344