ラオスで特定技能人材育成を開始

(ラオス)

ビエンチャン発

2023年07月12日

オノデラユーザーラン・ラオスは、7月4日に「OURラオスアカデミー」の開所式を行い、ラオスで特定技能人材の育成事業を本格的に開始した。同日、ラオス労働社会福祉省職業斡旋局との間で特定技能人材の育成と日本への送り出しに関する協力覚書も締結し、日本への特定技能人材の送り出し方法について両者で協議を進めていくとした。

特定技能制度とは、人材不足を抱える介護・外食・建設など12の特定産業分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を労働者として日本で受け入れる制度だ。在留期間は上限5年までとし、受け入れに際しては、技能および日本語能力の試験による確認が必要とされる。これまで日本とラオス両政府は2022年7月に特定技能にかかる協力覚書を締結した(2022年8月9日記事参照)。

同社は、2023年5月にアジア7カ国目として自社運営の無償の教育拠点「OURラオスアカデミー」をビエンチャン技能開発センター内に開校していた。同アカデミーでは、第1期生として約100人の応募者から32人を選抜し、外食分野のカリキュラムがスタートしたという。11月ごろに全てのカリキュラムが終了し、その後、特定技能試験を経て、2024年5月に日本へ入国することを目指している。今後さらに生徒を増やし、無償の寮や食堂の整備を進め、教育環境の整備を進めるとしている。

ラオスの労働者や実習生の送り出しは、タイ、マレーシア、韓国(2022年6月6日記事参照)、日本との間で政府間協定が締結されている。バイカム・カッティニャ労働社会福祉相は、2022年12月の国会において、2022年のラオスの失業率は18.5%と説明しており、送り出しを含め、失業率対策に向けてさまざまな取り組みを進めると報告している。

なお、6月26日から7月18日まで国会が開会されており、職業斡旋法草案が提出される予定だ。送り出し機関についての条件なども審議される見込みだ。

写真 OURラオスアカデミーで日本語を学ぶ生徒たち(ジェトロ撮影)

OURラオスアカデミーで日本語を学ぶ生徒たち(ジェトロ撮影)

(山田健一郎)

(ラオス)

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