イスラエル軍、ヨルダン川西岸地区での軍事作戦終了

(イスラエル、パレスチナ)

テルアビブ発

2023年07月06日

イスラエル軍は7月5日、ヨルダン川西岸地区のジェニンで展開していた軍事作戦(2023年7月4日記事参照)の終了を発表し、ジェニンから撤退した。イスラエル国防軍(IDF)は、今回の作戦で少なくとも18人のパレスチナ人武装勢力を殺害したと推計している(7月5日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙)。一方、パレスチナ自治政府は13人の死亡を確認したとしている。イスラエル兵は1人の死亡が確認された(7月5日付「i24ニュース」)。

4日には、テルアビブ北部でパレスチナ人が運転する車が歩行者に突っ込むなどして、8人が負傷した。軍事作戦に対するパレスチナ側の報復措置とみられており、イスラム原理主義組織のハマスは「テルアビブでの英雄的行動は、ジェニン難民キャンプでのイスラエルによる同胞への犯罪に対する最初の反応だ」との声明を発表した(7月4日付「ハアレツ」紙)。また、5日未明にパレスチナ自治区のガザから5発のロケット弾が発射されたが、イスラエル軍は対空防衛システム「アイアンドーム」によって撃ち落としたとしている(7月5日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙)。

政権の司法改革に反対し、数千人が道路や高速道路を占拠

一方、国内政治を巡っては、ネタニヤフ政権が推し進める司法改革に対する抗議デモが26週目に突入し、7月3日は数千人がベングリオン空港に集まった。5日夕方には数千人がテルアビブ中心地のテルアビブ・ハシュロム駅周辺の道路や高速道路を占拠した。デモに参加する多くの市民がイスラエル国旗を掲げ、司法改革反対のスローガンを合唱しながら、高速道路にかがり火をたいたりした。警察は放水銃を使用するなどしてデモ隊を排除し、7月6日午前2時(日本時間7月6日午前8時)過ぎには高速道路の閉鎖が解除された。

写真 デモ隊に放水銃を発射する警察部隊(現地時間7月5日午後10時半、ジェトロ撮影)

デモ隊に放水銃を発射する警察部隊(現地時間7月5日午後10時半、ジェトロ撮影)

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ)

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