司法改革法案が第一読会を通過、国内全土で大規模デモ

(イスラエル)

テルアビブ発

2023年07月12日

イスラエルの国会に相当するクネセトは7月10日、司法改革の一環として、政治家の議決の妥当性を最高裁判所が審査することを阻止する法案を第一読会で審議し、11日未明に64対56の賛成多数で承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる連立政権は、夏季会期の終わる7月末までに、第二読会と第三読会での審議を完了させたいとしている(「タイムズ・オブ・イスラエル」紙7月11日)。

法案の第一読会での通過を受けて、11日の早朝からベングリオン国際空港を含むイスラエル全土で大規模な抗議デモが行われた(「i24ニュース」7月11日)。テルアビブ市内では、中央省庁ビルのあるエリエザー・カプラン通りに抗議者が集結し、警察は騎馬隊を使って道路上の抗議者を排除しようとしていた。同通りでの抗議は数百人から始まったが、午前11時過ぎには数千人に拡大したという(「Yネットニュース・ドットコム」7月11日)。

写真 発煙筒を使用するデモ参加者(現地時間7月11日午前10時20分、ジェトロ撮影)

発煙筒を使用するデモ参加者(現地時間7月11日午前10時20分、ジェトロ撮影)

写真 警察騎馬隊に対峙(たいじ)するデモ参加者(現地時間7月11日午前10時35分、ジェトロ撮影)

警察騎馬隊に対峙(たいじ)するデモ参加者(現地時間7月11日午前10時35分、ジェトロ撮影)

イスラエルの労働組合連盟(ヒスタドルート)のアーノン・バー=デビッド氏は、法案が読会を通過するたびに抗議行動に参加することはないと述べたが、ネタニヤフ首相に対し、国内の混乱を速やかに収束するよう要請外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

一方、国会の憲法・法律・司法委員会では11日、第二読会と第三読会を通過させるための協議が行われた。

(ガブリエル・ホドス、中溝丘)

(イスラエル)

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