UAE政府が自国民雇用制度の適用企業拡大を発表、中小企業も対象に

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2023年07月14日

アラブ首長国連邦(UAE)人的資源・自国民化省は7月10日、従業員数20~49人の中小企業においても、自国民雇用を義務付ける措置を新たに導入すると発表した。2024年までに少なくとも1人、2025年までに追加でもう1人のUAE国民を雇用する必要があり、達成できない企業には罰金が科せられる。

今回の措置は、不動産、教育、建設、小売り・卸売り、医療を含む14分野(注)の民間企業に適用される。これまでは、従業員50人以上の企業のみがUAE国民の雇用目標を達成する必要があった(2023年2月8日記事参照)が、今回の措置は自国民の雇用義務範囲を拡大するもので、UAE政府が自国民雇用政策を着実に推進していることが明らかになった。

罰金については、従業員数20~49人の企業で、2024年に少なくとも1人の自国民を雇用しなかった場合、2025年1月に9万6,000ディルハム(約365万円、1ディルハム=約38円)の支払いが科せられる。さらに、2025年に2人目の自国民を雇用していない企業に対しては、2026年1月に罰金10万8,000ディルハムの支払いが科せられる。

また、従来の自国民雇用比率目標には変更がなく、2023年末までに全社員中4%、2024年末には6%、2025年末には8%、2026年末には10%の目標を達成する必要があるとされている。

フリーゾーンに入居する企業は、これまで本規定の適用対象外とされていた。ただし、7月11日付のUAE「ナショナル」紙によれば、フリーゾーン企業が今回の措置から免除されるかはまだ確認されておらず、今後、細則の発表があるかが注目される。

(注)新法令の対象となる業種は次のとおり:情報通信業、金融・保険業、不動産業、専門的・技術的活動、行政・支援サービス業、芸術・娯楽産業、鉱業および採石業、イノベーション産業、教育産業、医療・福祉、建設業、卸売・小売業、運輸・倉庫業、ホスピタリティと住居サービス。

(吉村優美子)

(アラブ首長国連邦)

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