第10回ハノイ部品調達展示商談会を開催、現地調達率向上と裾野産業育成へ

(ベトナム)

ハノイ発

2023年08月25日

ジェトロとベトナム貿易振興庁(VIETRADE)は89日から11日にかけて、「第10回ハノイ部品調達展示商談会」をハノイ市内で開催した。部品調達展示商談会のハノイ市でのリアル開催は2019年以来、4年ぶりとなった(注)。本イベントは、調達先を探す進出日系企業と、地場裾野産業間の取引拡大を目的に、製造業向け展示会「ベトナム・マニュファクチャリング・エキスポ(VME2023」に併催するかたちで実施した。VMEへの来場者数は、3日間の会期で延べ約9,200人(VME主催者発表の速報値)だった。

10回ハノイ部品調達展示商談会の開会式に出席した、ベトナム商工省のド・タン・ハイ副大臣は「裾野産業の育成はベトナム政府にとって重要な課題。10回目を迎える本展示商談会により、これまで多くのベトナム企業が日系企業に直接製品を売り込む機会が得られた」と述べ、継続的な取り組みの重要性を強調した。

今回の展示商談会には、ベトナムで部品などの現地調達を希望する日系企業22社、日系企業に部品などの供給を希望するベトナム企業28社の計50社が出展した。会期3日間の商談件数は、日系企業が1,601件、ベトナム企業が3,370件だった。出展した日系企業からは「自社のみで調達先候補を探すのは限界があり、展示会によって新たな候補先を発掘できた」と、展示会場での商談機会を評価する意見が多く聞かれた。出展したベトナム企業も「以前見積書を送ったものの商談が進まなかった日系企業の責任者と直接話ができた」と出展効果を実感していた。

今回は、ベトナム商工省傘下機関の工業開発センター(IDC)と裾野産業支援機関のベトナム裾野産業協会(VASI)がジェトロと連携し、ベトナム企業の出展募集や出展者以外のベトナムサプライヤー企業の誘致を初めて行った。新規参加のベトナム企業が10社にのぼり、より多くの商談機会につながった。他方、出展した日系企業からは、ベトナム企業に関する詳細な情報がなく、取引を検討する信頼性に課題があると指摘する声も一定数あった。

なお、ジェトロでは本展示商談会に合わせ、日系企業への部品供給先となりうるベトナム北・中部の地場企業250社以上を掲載したベトナムの優良サプライヤー企業ダイレクトーを更新した。

写真 第10回ハノイ部品調達展示商談会の様子(ジェトロ撮影)

第10回ハノイ部品調達展示商談会の様子(ジェトロ撮影)

(注)日系企業の現地調達率向上とベトナム裾野産業育成を目的に、2003年の日越両政府の合意に基づき、ハノイ市と南部ホーチミン市で交互に部品調達展示商談会を毎年開催している。前回ハノイ市内で開催予定だった2021年は、新型コロナウイルス感染の影響によりオンライン開催だった。

(山梨彰彦)

(ベトナム)

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