中国外交部、対中投資制限に関する米大統領令に断固反対

(中国、米国)

北京発

2023年08月21日

中国外交部は810日、米国のジョー・バイデン大統領が米国から中国への投資制限に関する大統領令に署名したこと(2023年8月14日記事参照)について、強烈な不満と断固とした反対の意思を表明した。

外交部のスポークスパーソンは記者の質問に対して、米国が国家安全保障を名目に、米国企業の対中投資を制限し、安全保障や政治の概念の拡大解釈を行うことは、中国の発展の権利を奪うものと指摘。米国の動きは、自国の覇権と利益を守るためで、露骨な経済脅迫と科学技術分野でのいじめだと言及した。さらに、これは市場経済と公平競争の原則に違反し、国際経済貿易秩序を破壊し、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定を混乱させるとも指摘。中米両国ひいては世界経済の利益を損なうこととなり、その本質は反グローバル化、脱中国化を進めることだと批判した。

また、米国に対し、対中デカップリングや中国の経済発展を阻害する意図がないというバイデン大統領の約束の確実な履行を懇請するとした。さらに、経済や貿易、科学技術問題の政治化、手段化、武器化をやめ、誤った決定を直ちに撤回し、対中投資の制限を取りやめ、中米経済貿易の協力に向けた良好な環境を整えるよう促し、中国は今後の動きを注視した上で断固として自国の権益を守るとした。

中国商務部のスポークスパーソンは同じく810日、米国が自国企業の対外投資を制限することは、投資分野で「デリスキング」を名目に「デカップリングとサプライチェーンの分断」を進めることだと指摘した上で、中国はこれを深刻に懸念し、関連措置を取る権利を留保するとコメントした。

810日付の「環球時報」の社説では、米国が投資規制によって中国のハイテク分野の発展を阻止したり封じ込めたりしようとすることは傲慢だと指摘し、ハイエンド技術の分野において、中国は従来から自主的な技術革新に取り組んでおり、米国による封じ込めは、中国の自主的な革新を加速させる決意を強め、高いレベルでの対外開放を加速させるだけだとした。

(張敏)

(中国、米国)

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