中国、日本産水産物の輸入を全面停止

(中国、日本)

北京発

2023年08月25日

中国の税関総署は8月24日、「日本水産物の輸入全面停止に関する公告」(税関総署公告2023年第103号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、原産地を日本とする水産物(食用水生動物を含む)の輸入を全面的に停止すると発表した。停止は即日有効となる。

輸入停止の理由は、東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水(注)の海洋放出による食品への放射線汚染リスクを防ぎ、中国の消費者の健康と輸入食品の安全を確保するためとしている。

2021年以降、日本にとって中国は世界1位の農林水産物・食品の輸出相手国となっている。農林水産省によれば、2022年の日本から中国への農林水産物・食品の輸出額は前年比25.1%増の2,782億円で、全体の20.8%を占めた。中国向け輸出額のうち水産物は871億円、品目別ではホタテ貝が467億円、なまこ(調製)が79億円、かつお・まぐろ類が40億円となっている。

中国はこれまで、ALPS処理水の放出に反対するとともに(2023年8月24日記事参照)、7月以降は日本からの輸入食品に対する税関での検査を強化していた(2023年7月23日記事参照)。

(注)中国はALPS処理水について「核汚染水」と表現している。

(河野円洋)

(中国、日本)

ビジネス短信 153fa14cd46332bf