2023日台フルーツ夏祭を開催、東日本大震災後初めて「福島の桃」をPR

(台湾、日本)

調査部中国北アジア課

2023年08月30日

日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の台北事務所は、台湾農業部や中華文化総会との共催で、8月26~27日に台北市内の総統府前、凱達格蘭(ケタガラン)大道で「2023日台フルーツ夏祭」を開催した。夏祭は2022年に続いて2回目の開催で、前年好評だったことから、今回は会期を1日から2日間に延長し、延べ約9,000人が来場。開催初日の夕方には蔡英文総統も会場を訪れた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。なお、本原稿執筆時点(8月29日)で、台湾当局は日本から輸入する農林水産物・食品に対し、福島第1原子力発電所のALPS処理水の海洋放出を事由とする輸入規制措置は発表していない。

夏祭では、日本側と台湾側で企業や自治体などそれぞれ約40のブース出展があり、日本産のシャインマスカットやシークワサージュース、台湾産のパイナップルやマンゴーアイスキャンディーなどの試食・販売を通じて、一般消費者向けに日台双方のフルーツの魅力をアピールした。また、2022年2月に輸入規制が緩和された福島県など5県産(注)の果物も出品され、千葉県産の梨の出品のほか、福島県産の桃の試食・販売も行われた。福島県産桃(川中島白桃)は、ジェトロの要請に基づき、交流協会台北事務所が出品を企画、現地輸入業者の協力を得て、12年ぶりに東日本大震災後初のプロモーションが実現したもの。福島県産桃の試食コーナーには多くの来場者が訪れ、「とてもおいしい」というコメントが聞かれた。桃は夏祭限定で、2個699台湾元(約3,215円、1台湾元=約4.6円)で約100玉準備されたが、数時間で完売した。

日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表は「福島の桃は日本で大変人気があるが、今回の夏祭で12年ぶりに台湾の皆さまにも食べていただけて、とてもうれしい。今後も日本産品の台湾への輸出をサポートしていきたい」と抱負を語った。

台湾は日本の農林水産物・食品輸出先として、国・地域別で世界第4位(金額ベース、2022年)の有望市場。新型コロナウイルス禍の中でも輸出金額は伸びており、2022年の輸出金額は前年比19.6%増の1,489億円となった。

なお、夏祭は、2023年6月に農林水産省と日本台湾交流協会台北事務所が共同で立ち上げ、台湾への輸出に取り組む事業者を専門的に支援する輸出支援プラットフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます事業の一環として行われた。

写真 多くの来場者でにぎわう会場(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

多くの来場者でにぎわう会場(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

写真 入荷した福島県産の桃(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

入荷した福島県産の桃(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

写真 試食提供の様子(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

試食提供の様子(日本台湾交流協会台北事務所撮影)

(注)福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県で生産・加工された食品に対して課していた輸入規制措置は2022年2月に緩和された(2022年2月9日記事参照)。

(有田雄子)

(台湾、日本)

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