BRICS拡大、6カ国の新規加盟に合意

(南アフリカ共和国、中国、ブラジル、インド、ロシア、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

ヨハネスブルク発

2023年08月25日

BRICS首脳会議の議長を務めた南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は8月24日、会議の成果報告演説を行い、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国がBRICSに新規加盟することを発表した。ラマポーザ大統領は加盟承認の具体的な手続きや基準については言及しなかったが、6カ国は2024年1月1日から正式な加盟国になるとした。また、各BRICS首脳はそれぞれの外相らに対し、BRICSパートナー候補国のリストを次回の首脳会議までに整備するよう指示したと述べた。BRICSは今回の加盟国の拡大により、世界での影響力が高まることを期待している。

加盟国の拡大は今回の首脳会議の注目トピック(2023年8月21日記事参照)で、当初、インドやブラジルは拡大に慎重な姿勢を示しているとメディアでは報じられていたが、23日のサミット本会議で、インドのナレンドラ・モディ首相はBRICS加盟国拡大を支持すると発言した。モディ首相は「インドが議長国を務めた2016年にBRICSを迅速かつ包括的な集団的解決策を構築するグループと定義した」とし、この認識の下、加盟国拡大を完全に支持し、今後も加盟国と積極的に関係構築を図っていくと語った。

また、ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領も、新加盟国を含めるとBRICSのGDPは世界の37%、世界人口では46%まで増えると述べ、新規加盟を歓迎した。ロイター通信(8月25日付)によると、ルーラ大統領は23日、加盟国の資格について「基準となるのは、誰が統治しているかではなく、国の重要性だ。例えば、イランなどの国の地政学的な重要性は否定できない」と発言した。

中国の習近平国家主席は「BRICS諸国はいずれも重要な影響力を持っており、世界の発展に対して重要な責任を担う。今回、私たちは6カ国が新しく加盟することを全ての加盟国が合意した」と述べた。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、中国、ブラジル、インド、ロシア、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

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