中国税関、M痘の輸入感染防止措置を発表

(中国)

北京発

2023年08月23日

中国海関総署は8月21日、世界でM痘(サル痘)の感染が確認されていることを受け、「M痘の輸入感染防止に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(海関総署公告2023年第100号)を発表した。本公告は6カ月間有効としている。

物的感染経路への対策として、M痘発生国・地域からの輸入品で、汚染されている、もしくは汚染されている可能性がある航空機、船舶、コンテナ、貨物については、規定(注1)に則した手順に基づき衛生処理を受けなくてはならない。

人的感染経路への対策として、M痘発生国・地域の出身で、M痘感染者に接触したことがある、または発熱・寒気・頭痛・眠気・倦怠感・背中の痛み・筋肉痛・リンパの腫れ・顔や身体に広範囲の発疹などの症状がある場合は、自主的に入国時に税関へ申告する必要があるとした。また、税関の衛生検疫官は規定に則した手順に基づき医療措置を行い、サンプル検査を行うとしている。

中国内では6月以降にM痘感染者が増加しており、中国疾病予防コントロールセンター(CDC)は7月27日に「M痘予防制御方案に関する通知」を発表し、M痘に関する知識の向上や、予防措置の啓発を行っている(2023年8月14日記事参照)。世界保健機関(WHO)の8月16日の発表では、8月7~13日に全世界で571例の新規感染が確認されている(注2)。

(注1)「M痘の輸入感染防止に関する公告」では、「中華人民共和国国境衛生検疫法」およびその実施細則などの法律、法規で規定するとしている。

(注2)WHO報告の8月7~13日の各国新規感染数571例の内訳は、中国499例、米国42例、英国10例、スペイン6例、フランス3例、ドイツ3例、ポルトガル3例、韓国2例、イタリア1例、ルクセンブルク1例、オランダ1例。その他、8月14日にタイで70例の新規感染が確認されたと報告している。

(亀山達也)

(中国)

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