スリランカ政府、RCEPへの加入申請およびASEANとの経済連携強化を発表

(スリランカ)

調査部アジア大洋州課

2023年08月15日

スリランカ政府は8月10日、同国の新たな経済政策として、地域的な包括的経済連携(RCEP)に加入し、ASEANとの経済連携を強める方針であることを発表した。

ラニル・ウィクラマシンハ大統領は8月8日、コロンボのインドネシア大使館で開催されたASEAN56周年(ASEANデー)記念式典で演説し、スリランカがRCEPへの加入を申請したことを発表した。そして、「中国、日本、韓国などの主要経済国で構成される、東アジア地域の広大な貿易ブロック圏の急速な発展を踏まえ、スリランカの経済的焦点を東アジア地域に向けるべき」と強調した。

さらに、スリランカの新政策の重要な側面の1つとして、「ASEAN加盟国との自由貿易協定締結に向けた交渉を開始する」と述べた。そのうえで、「スリランカはすでにシンガポールと重要な貿易協定を結んでおり(2022年11月22日記事参照)、タイとも積極的に交渉中である」と明らかにした。

加えて、声明では、特に気候変動のような課題に直面した場合の団結と協力の必要性を力説した。ウィクラマシンハ大統領は、気候危機の緊急性を認識し、気候変動と闘い、ブルーエコノミーの可能性の追求に向け、ASEAN諸国とスリランカが共同で努力することを呼びかけた。

(寺島かほる)

(スリランカ)

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