西村経済産業相が南部アフリカ5カ国を歴訪

(南部アフリカ、ザンビア、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、マダガスカル)

ヨハネスブルク発

2023年08月25日

西村康稔経済産業相は、86日から13日まで南部アフリカ5カ国(ナミビア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ザンビア、マダガスカル)を歴訪した。重要鉱物資源を有する国が多く、市場としての将来性も期待されるこれら諸国との関係強化に加え、日本企業や南部アフリカに拠点を置く日系企業も一部日程に同行し、ビジネスの機会を探った。

西村大臣は8日にナミビアを訪問し、クリスティーヌ・ホエベス大統領府大臣やトム・アルウェンド鉱山・エネルギー相らと会談するとともに、伊藤忠商事とハイフン・ハイドロジェン・エナジー(Hyphen Hydrogen Energy)との覚書締結式に同席した。ハイフンは、ナミビア政府と共に同国初の全垂直統合型グリーン水素プロジェクトを推進しており、伊藤忠商事は今後、協業の可能性を検討する予定だ。同社の石塚新弥アフリカブロックCEOは「グリーンアンモニアの共同開発およびアンモニアのバリューチェーン創出を目指し、日本およびアジア諸国の顧客や産業の低炭素化を支援していく」と述べた。ナミビアは近年有望視される油田が相次いで発見され、鉱業部門での連携が期待されているほか、同国政府はグリーン水素戦略を積極的に進めている(2023年6月9日記事参照)。

写真 伊藤忠商事とハイフン・ハイドロジェン・エナジー(Hyphen Hydrogen Energy)との覚書締結式(伊藤忠商事提供)

伊藤忠商事とハイフン・ハイドロジェン・エナジー(Hyphen Hydrogen Energy)との覚書締結式(伊藤忠商事提供)

9日にアンゴラを訪問した西村大臣は、ジョアン・ロウレンソ大統領を表敬訪問し、鈴木徹駐アンゴラ日本大使とテテ・アントニオ外相が署名する日・アンゴラ投資協定の署名式に立ち会った(2023年8月14日記事参照)。現在、在アンゴラ日系企業は2社(豊田通商、丸紅)に限られるが、日本政府はインフラ整備への協力や、日本のスタートアップが同国でのビジネス活動に意欲を示していることなどを踏まえ、日本企業によるアンゴラへの投資を支援したい考えだ。

一方、ジェトロは首都ルアンダにビジネスミッションを派遣し、投資機関と共催で、「日アンゴラ・ビジネス・ラウンドテーブル」を開催した。在南アフリカ日本企業など26社およびアンゴラ企業の約150人が参加し、代表企業からのプレゼンテーションのほか、自動車、インフラ、通信、農業など多岐にわたる分野で、ネットワーキングを行った。ビジネス・ラウンドテーブルに出席した西村大臣は、カエタノ・ジョアン経済企画相と貿易投資促進に関する共同声明に署名した。なお、ビジネスミッション参加者は、国営石油企業ソナンゴル(Sonangol)や、アンゴラケーブル(Angola Cable)のデータセンター、アンゴラ最大のルアンダ・ベンゴ経済特区(ZEE)も訪問し、工場視察や関係者との意見交換を行った。

写真 日アンゴラ・ビジネス・ラウンドテーブルでの記念撮影(ジェトロ撮影)

日アンゴラ・ビジネス・ラウンドテーブルでの記念撮影(ジェトロ撮影)

写真 ZEE内のKaheel Agricultura工場視察(農業用トラクターのノッダウン生産を行う工場)(ジェトロ撮影)

ZEE内のKaheel Agricultura工場視察(農業用トラクターのノッダウン生産を行う工場)(ジェトロ撮影)

(堀内千浪)

(南部アフリカ、ザンビア、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、マダガスカル)

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