イラン外相が訪日、岸田首相らと会談

(イラン、日本)

テヘラン発

2023年08月09日

イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相が訪日し、8月7日に岸田文雄首相、林芳正外相、加藤勝信厚生労働相と会談した〔8月7日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

イランの報道によると、同外相は岸田首相との会談で、ペルシャ湾岸地域のエネルギー安全保障の推進におけるイランの役割の重要性を強調、同地域の最近の進展は、安全と包括的な発展、繁栄の促進に向けた地域協力にとって有望とし、このプロセスを支援する日本の役割は重要と述べた。これに対し岸田首相は、ペルシャ湾岸地域の最近の前向きな進展について、日本は永続的な安全保障を推進するための地域協力を支持すると述べた。また、イラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」の復活に向けた交渉の継続と、締約国がJCPOAの合意に復帰することを支持するとした(8月8日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

林外相との会談では、2国間関係やウクライナ戦争、JCPOA再建交渉の状況などの地域・国際問題について協議、アブドゥラヒャーン外相は日本とイランの関係を再整理し、関係を発展させるための長期協力のロードマップを策定する必要性について述べた。林外相は、継続的な対話と2国間協力の重要性を強調した上で、ペルシャ湾岸地域の発展、JCPOA再建交渉、ウクライナ戦争などにおける自国の立場を説明した(8月7日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

加藤厚生労働相との会談においてアブドゥラヒャーン外相は、新型コロナウイルス流行下の日本政府からイランへのワクチン寄贈は貴重な措置だったと評価した。また、米国による一方的な経済制裁を違法とし、特にイランの医薬品や医療機器分野における日本企業の協力を促進するメカニズムの必要性を指摘した。同外相は同時に、イランの新技術分野、特に医療分野における進歩を説明した。加藤厚生労働相は、特に医療分野における2国間協力の重要性を強調し、イランの同分野における進歩を評価した。また、両国間の協力が適切に推進されることへの期待を表明した(8月7日付イラン外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、日本)

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