インドで2023年初のユニコーン企業が誕生

インドで生鮮食品や日用品のデリバリーを行っているzeptoは米国ステップストーン・グループなどから2億ドルの調達に成功し、インドの2023年初のユニコーン企業となったと、8月25日付で各現地メディアが報じた。zeptoは米スタンフォード大学を中退した2人によって2021年に創設され、果物や野菜などの生鮮食品のほか、洗剤や化粧品といった日用品など5,000種類以上の商品を「10分以内にデリバリー」するEコマースを運営している。

インドは世界3位の規模を誇るスタートアップエコシステムを有しており、特にユニコーン企業については、イノベーション創出のみならず、大規模雇用創出の機会として重要視している。2016年度（2016年4月～2017年3月）以前のユニコーン企業誕生数は年間平均1社程度だったが、2017年度以降に飛躍的な成長を遂げた。2021年には年間44社誕生と最多を記録し、2022年にも21社が誕生し、現在の国内のユニコーン企業数は109社となっている。

2023年にG20議長国を務めるインドは、G20のエンゲージメントグループとして「スタートアップ20」を新設するなど（2023年8月2日付地域・分析レポート参照）、スタートアップエコシステムのさらなる成長に強いイニシアチブを発揮しており、インド国内の今後の動向が注目される。

（深津佑野）