サウジアラビアではALPS処理水放出に関し客観的な報道が続く

(サウジアラビア、日本、中国)

リヤド発

2023年08月28日

東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水の放出開始について、サウジアラビア国内メディアの多くでは、ロイターなどの外信を情報ソースとした報道にとどまっている。

主要現地紙の1つ「アシャルク・アルアウサット」紙(8月27日)は、8月24日に始まった処理水放出開始の事実とともに、環境省による付近の11地点の海水サンプル検査の結果、トリチウム濃度は検出可能なレベルに満たなかったことを報じた。

同紙は、24日に中国政府が日本の水産物輸入を禁止することを発表した際にも、中国政府による科学的根拠がない主張を日本政府が批判した点とともに、国際原子力機関(IAEA)が7月に公表した安全性に関する報告書の中で、ALPS処理水放出が人や環境に与える影響は無視できると結論づけている点を報じた。

サウジアラビア政府やその関係者は8月27日時点で、ALPS処理水放出について特に声明を発表していない。

(秋山士郎)

(サウジアラビア、日本、中国)

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