社会改革支持するデモが平穏に終結、大統領呼びかけに批判も

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年09月28日

コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が打ち出す労働、保健、年金などに関する各種社会改革を支持するデモ行動が9月27日、首都ボゴタ市など全国の主要都市で行われた。ボゴタ市当局によると、デモの市内最終目的地となったボリバル広場に3万2,000人以上が集結した。デモの影響で一部交通に乱れが生じたが、平穏に終結した。

ペトロ大統領は9月22日、自身のX(旧ツイッター)アカウントで「平和、生命のために行進しよう」とデモ参加を呼びかけていた。デモには先住民組織も参加し、ゲリラ組織による人道的危機を訴えたほか、大統領府ウェブサイトによると、国内の50以上の市民組織が参加した。

コロンビアでは10月29日に、知事、県議会議員、市長、市議会議員、地方行政委員などを選出する統一地方選挙を控えており、9月27日のデモにはボゴタ市長選の与党支持候補グスタボ・ボリバル氏(コロンビア・ウマーナ党)も姿を現した。世論調査会社グアルモが9月9~13日に行った世論調査によると、同氏の支持率は18.6%で、首位のカルロス・フェルナンド・ガラン氏(ヌエボ・リベラリスモ党)の32.7%に続いて2位となっている。

このような選挙間近の時期に政権支持を誇示するような全国行動を呼びかけることについて、問題視する声は多い。政治アナリストのガブリエル・シフエンテス氏は9月26日付「エル・ティエンポ」紙で、「厳密には合法的なデモでも、選挙法の枠内ではその性質を変え、違法行為となる可能性がある」と述べている。

(木村香菜)

(コロンビア)

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