バイデン米大統領、太平洋島しょ国首脳と2回目の会議主催、2カ国と外交関係樹立

(米国、太平洋島しょ国、オーストラリア、ニュージーランド、クック諸島、ニウエ)

ニューヨーク発

2023年09月27日

米国のジョー・バイデン大統領は9月25~26日、ホワイトハウスで第2回の米国・太平洋諸島フォーラム(PIF、注)首脳会議を主催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国はこの機会にクック諸島外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますニウエ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを国家承認し、外交関係を樹立した。

今回の首脳会議は、1年前の2022年9月末に開催された第1回会議に続くものとなる(2022年10月4日記事参照)。開催に合わせて発表された声明も「米国と太平洋間のパートナーシップを再確認する米国・PIF首脳声明」とのタイトルで、おおむね第1回で合意した関係強化に向けたロードマップを確認する内容となっている。クック諸島とニウエを国家承認することも、第1回会議時点で明らかにされていた。首脳声明はPIFが掲げる「ブルーパシフィック大陸の2050戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(2050戦略)に沿うかたちで、(1)政治的リーダーシップと地域主義、(2)パートナーシップと協力、(3)気候変動と自然災害、(4)海洋と漁業、(5)貿易と投資、(6)平和と安全、(7)人間中心の開発の7つのパートで構成している。(1)では、双方が重視すべき目標や原則などをうたい、2050戦略の実施に向けて連携することや、国連憲章に基づくルールによる国際秩序を順守することを明記している。また、ロシアによるウクライナに対する戦争を含めて全ての戦争行為を非難するとしている。(2)は今後の運営方針に相当する内容となっており、次回の首脳会議は2025年に開催し、それ以降は隔年で政治的関与を行っていくとしている。また、閣僚や政府高官レベルの定例的な関与を深めていく意向も示している。(3)以降は主に、太平洋島しょ国側が抱える課題での協力方針となっている。

米国側の取り組みをより具体的に示したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、例えば外交使節に関して、第1回会議以降にソロモン諸島とトンガに大使館を開設したことに続き、2024年にはバヌアツにも開設予定としている。また、時期は未定だが、キリバスにも開設の意向があると明らかにしている。太平洋島しょ国の開発支援のための予算には、6,400万ドルを議会に要求していると記載している。2年連続の首脳会議を経て、今後どのようなペースで関係強化が進展するか注目される。

(注)1971年に発足した枠組みで、大洋州諸国首脳との対話の場と地域協力の核となっている。オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、サモア、ソロモン諸島、バヌアツ、トンガ、ナウル、ツバル、ミクロネシア連邦、パラオ、マーシャル諸島、キリバス、クック諸島、ニウエ、フランス領ポリネシア、ニューカレドニアの16カ国・2地域が加盟し,政治、経済、安全保障など幅広い分野で地域協力を行っている。外務省説明ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(磯部真一)

(米国、太平洋島しょ国、オーストラリア、ニュージーランド、クック諸島、ニウエ)

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