自動車産業の発展に関する作業方案を発表、新エネ車900万台を販売目標値に

(中国)

上海発

2023年09月08日

中国工業情報化部、財政部、交通運輸部など7部門は9月1日、「自動車産業の着実な発展に関する作業方案(2023-2024年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同方案では、中国の自動車産業は国内需要の縮小、供給不足、期待低下という三重苦が存在し、安定的な成長が困難になっているとの認識を示したうえで、中国経済において重要な柱である自動車産業の発展目標を達成するために策定された計画と示された。

方案の中で、2023年の年間自動車販売台数を約2,700万台(前年比約3%増)、そのうち新エネルギー車(以下、新エネ車)の販売台数を約900万台(約30%増)との目標値を掲げた。2022年の販売台数は約2,686万台、このうち新エネ車は約689万台で、新エネ車の割合を大幅に増加させる目標となっている。また、2023年1月に自動車工業会の予測した新エネ車販売台数850万台の予測値からも引き上げたかたちだ(2023年1月16日記事参照)。

また、消費支援策として、既存の税優遇を実施するとともに、公共車両の電動化や農村部への電動車普及、バッテリー交換車両の開発促進、燃料電池車の実証を重点支援して普及促進を図ることなどが示された。このほか、輸出促進策や中古車消費の拡大、充電インフラ設備の構築と運営の強化も実施していくことが示され、市場全体を拡大させるとの目標が示されている。

さらに、方案の中では、自動車産業のサプライチェーンの安定性と円滑性を確保するとされた。サプライチェーンリスクを特定し、強靭(きょうじん)性をモニターし、評価するプラットフォームを創設することが示された。戦略的連携の形成や長期契約の締結、技術協力など安定供給を後押しすることに加え、国内のサプライチェーンを強靭化するための措置を取るとされている。

(神野可奈子)

(中国)

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