第2四半期のGDP成長率は前期比0.1%と微増

(チェコ)

プラハ発

2023年09月04日

チェコ統計局の829日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2023年第2四半期(46月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.1%と微増し、2022年第3四半期以降で初めてプラス成長を記録した。前年同期比ではマイナス0.4%と減速が続いている。

需要項目別にみると、家計最終消費支出が前期比0.2%増で、2021年第4四半期以降続いたマイナスからプラスに転じた(添付資料表1参照)。内訳をみると、短期消費財とサービスに対する支出がそれぞれ1.0%増、0.2%増と上昇した。また、総固定資本形成は前期の0.4%減から3.4%増に転じた。特にICT(情報通信技術)・その他の機器、および輸送機器への投資の増大が影響した。

産業別にみると、製造業は前期比1.0%増で、2022年第1四半期以降、堅調な伸びを続けている(添付資料表2参照)。また、金融・保険は第1四半期の3.4%減から2.5%増へと転じた。

チェコ国立銀行(中央銀行)は同日のコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、統計局のデータはチェコ経済が浅い景気後退から脱したことを示唆しているとの見方を示した。特に家計最終消費支出がプラスに転じた点に言及し、インフレ率が徐々に低下しつつある状況が影響したと説明している。また、企業の投資回復、政府支出の増大も成長に寄与したと指摘した。

2023年下半期の動向に関して、中銀は、主として実質所得増大に裏打ちされた家計消費の回復により、チェコ経済はより顕著な成長を示すと予測している。また、サプライチェーンの混乱が収拾しつつある中、仕掛け品の完成や累積在庫の減少が予想されることから、純輸出も増大すると同行はみている。

(中川圭子)

(チェコ)

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