中銀、2会合連続で政策金利を0.50ポイント引き下げ

(ブラジル)

サンパウロ発

2023年09月22日

ブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)は9月20日、政策金利(Selic)を13.25%から0.50ポイント引き下げ、12.75%にすることを決定した(注1)。0.50ポイントの引き下げは2会合連続となる。理由として、インフレの鈍化傾向が継続していることを挙げている。9月15日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注2)によると、代表的な物価指数の拡大消費者物価指数(IPCA)の見通しは、2023年が4.86%となっており、前回のCopom会議直前に発表された7月28日付見通し(4.84%)とほぼ同水準で推移している(2023年8月8日記事参照)。

Copomは、インフレの見通しは中銀と連邦政府が設定する2023年のインフレ目標値3.25%(上限許容幅1.5%)を引き続き超えているため、今後の引き下げを慎重に行うべきだとの意見を示した。9月15日付のフォーカスによると、2023年末時点の政策金利の見通しは前回Copom会議と同様に、11.75%に据え置かれている。

9月20日付の現地紙「エスタード」によると、ブラジル銀行連盟(FEBRABAN)やブラジル全国工業連盟(CNI)などは今回の政策金利引き下げを経済の活性化に向けた取り組みとして評価している。

(注1)金融政策委員会(Copom)は中央銀行の9人の委員で構成し、年間8回、45日おきに政策金利決定の会合を実施している。

(注2)フォーカスは、中銀が国内100機関以上の金融機関を対象に行った予測をアンケートでまとめたもの。毎週金曜日の集計を基に平均値を算出し、翌週の月曜日に公表される。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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