香港初の「香港特許分析研究報告書」公表

(香港)

香港発

2023年09月06日

香港工業総会(FHKI)と香港生産力促進局(HKPC)は8月31日、両者共催のイベントで、香港初の特許分析研究の成果として「香港特許分析研究報告書」(英語名:Hong Kong Patent Landscape Report)を発表した(注)。

イベントで祝辞を述べた香港知識産権局副局長の曾志深(トーマス・ツァン)氏は「香港行政長官の2022年施政報告(2022年11月1日記事参照)では、地域の知的財産取引センターとしての香港の地位をさらに発展、促進させるため、短期・中期・長期のロードマップや多方面にわたる対策が講じられており、特に知的財産制度の強化に重点が置かれている」と強調した。FHKI副会長の劉燊濤(ゲーリー・ラウ)氏も自身のスピーチで「特許出願は、企業の知的財産の保護や、企業の無形価値の向上と保護、投資家の誘致を図るためにも、非常に重要な要素」と指摘した。

中国国務院が2021年10月に公表した「『第14次5カ年(2021~2025年)規画』国家知的財産権保護および運用規画」では、香港が国際的なイノベーションとテクノロジー(I&T)ハブや地域の知的財産取引センターとして発展することを支援する方向性を示している。そのような背景から、「香港特許分析研究報告書」では過去10年間の香港と世界の特許活動、I&Tの動向を紹介している。また、同報告書の目的は、地域企業がブルーオーシャンを特定し、I&T発展を支援することで、香港の特許制度、知的財産権取引、I&T産業発展の促進に向けた具体的な政策提言を提供することにある。

同報告書は「第1章 序文」「第2章 世界および香港におけるイノベーションと特許出願動向の調査」「第3章 企業インタビュー概要」「第4章 調査研究:香港におけるイノベーション主導の特許制度の構築」の4章で構成している。例えば、第2章では、世界や香港の技術分野別の特許協力条約(PCT)出願件数の年別推移など、多数の統計分析結果を示している。第3章では、香港の人工知能(AI)開発会社センスタイムや国の電子商取引(EC)大手アリババグループなど6社のインタビュー内容を掲載している。

(注)同イベントの実施概要や報告書全文はFHKIのウェブサイト(繁体字外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます簡体字外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認できる。報告書は繁体字版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)英語版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のみ。

(島田英昭)

(香港)

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